奇妙で美しい謎の生きものを求めて

粘菌生活のススメ

粘菌生活のススメ

粘菌(変形菌)という生きものをご存知ですか?
この生きものは、動きまわって微生物などを捕食するアメーバ動物的状態を経て、きのこのように子実体を形成し、胞子で繁殖するなど、その一生の間に、あるときは動物的性質を、あるときは菌類的性質を持つ、動物でも、植物でも、菌類でもない不思議な生物です。

また粘菌は、知の巨人・南方熊楠が生涯を通じて研究した対象として知られていますが、他にも宮崎駿の漫画『風の谷のナウシカ』中に、物語の核となる生物としても登場しています。
最近では、北海道大学の中垣俊之教授らのグループによる粘菌研究が、イグノーベル賞を2度も受賞して大きな話題になりました。

そんな粘菌の魅力は、何と言っても、子実体の美しさ、かわいらしさです。赤、白、黄色、金属的光沢すらある金色や銀色など、
色彩は多様、アイスバー型、まち針型、まんじゅう型、プレッツェル型など形もさまざま。一度見たら、強烈な印象が残るに違いありません。
また、アメーバが大きくなったような変形体も本当に興味深い存在。単細胞生物にもかかわらず知性の片鱗を見せるというのですから、多くの研究者を惹きつけてやまないのも納得です。

本書は、主に初心者に向けて、そんな粘菌の基本的な生態を解説するとともに、北海道や東北各地で撮影された本邦初公開の写真をカラーで多数掲載しました。
粘菌の姿や生態はもちろん、原始の姿を今に残す森の美しさも楽しめます。

いざ、どきどきわくわく間違いなしの、粘菌ワールドへ。

ページ数
168ページ
価格
1,760円(税込)
ISBN
978-4-416-51638-6

目次

まえがき
第1章粘菌とは何か? 奇妙で美しい謎の生きもの
「粘菌」と「変形菌」
粘菌という生きもの
粘菌のライフサイクル
変形体
子実体
細毛体と胞子
生態系と粘菌
REPORT 1 北海道大学へ粘菌研究者の中垣俊之教授に会いに行く
第2章粘菌六科選 森で出会える美しい粘菌
1 ツノホコリ科
2 ドロホコリ科
3 ウツボホコリ科
4 ケホコリ科
5 モジホコリ科
6 ムラサキホコリ科
REPORT 2 山形県で粘菌学者の川上新一博士と粘菌三昧
第3章粘菌を10倍楽しむ! アウトドアからインドアまで
北海道で粘菌探し阿寒川源流部の森
東北地方で粘菌探し青森県蔦の森
東京で粘菌探し東京西部トトロの森
観察しよう!標本をつくろう!
粘菌撮影入門
ときめく粘菌グッズ
REPORT 3 若き粘菌研究者の増井真那さんに会いに行く
第4章小さな粘菌図鑑 北国の森の粘菌23種
あとがき
索引・参考文献

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