普通のシャボン玉は、中に空気の詰まったシャボン液(実際はほとんどが水)の膜でできた球体が空気中に浮かんでいる。でもこの実験では、水の詰まった空気の膜でできた球体が水中に浮かぶんだ。どうやってつくるのか、今からお見せしよう。
普通のシャボン玉は、中に空気の詰まったシャボン液(実際はほとんどが水)の膜でできた球体が空気中に浮かんでいる。でもこの実験では、水の詰まった空気の膜でできた球体が水中に浮かぶんだ。どうやってつくるのか、今からお見せしよう。
用意するもの
コップに約半分~3/5程度まで水を入れ(約100~120cc)、中性洗剤を7~12滴入れる。このとき、洗剤に界面活性剤が30%程度含まれているコンパクトタイプ(成分表示に記されている)の場合は8滴を、それ以外の普通タイプの場合は10滴を目安に調節して入れる。まずは薄めで試して、うまくいかなかったら1滴ずつ足して調節しよう。
ストローで水をゆっくりとかき回し、洗剤を充分に溶かす。見た感じでは透明でわかりにくいので、1分ぐらいは混ぜ続けよう。そのまましばらく置いておき、水の動きが収まったら実験開始。まずは、ストローを垂直に水面から2〜3cmほどの深さに差し込む。
ストローの上を指でふさぐ。その後、下端が水面から1〜2cmぐらいになる高さに引き上げる。ふさいでいた指を離してストローの中の溶液を落とすと…、シャボン玉ができた!
うまくいくと水中に丸い玉ができ、ゆっくりと浮かび上がる。空気の玉(気泡)と違って、浮かび上がる速度がゆっくりだ。また、光の反射の様子も違うぞ。連続してつくれると、ご覧のような光景になる。
どうしてこうなるの?
葉っぱの上の水滴が丸まっているように、水は自由な状態だと玉(球形)になる。これは、水の表面に働く力「表面張力」が、表面が小さくなるように引っぱるためだ。水は液体の中では表面張力が強い方なので、膜のように引きのばそうとしてもちぎれやすい。ところが、洗剤などに含まれる界面活性剤が水に加わると、表面張力が弱まって水の膜ができやすくなるんだ。シャボン玉をつくるときに水に洗剤を加えるのはこれが理由というわけ。今回の実験では、空気中のシャボン玉と同じように、水の表面張力が弱まったために膜ができやすくなっている。ただし、これは水の膜ではなくて「空気の膜」。図のように、ふつうの空中にあるシャボン玉と比べると、空気と水が逆になっているバージョンのシャボン玉なのだ。