夏休み自由研究スペシャル 子供の科学がキミにぴったりの自由研究をおしえるよ!

観察したい!

夏の夜空の流れ星 撮影テクニック

ペルセウス座流星群の見つけ方

ペルセウス座流星群が、8月12日〜13日ごろに出現のピークを迎えます。 この時季は、たくさんの流れ星を見ることができるチャンスです。北東の空を眺めていれば、1時間あたり1人で数十個くらい見られるかも?!出現ピーク前後の数日間は、真夜中に月が沈みます。そのため、月明かりの影響もありません。普段は1時間に1、2個くらいしか見られない流星が、ペルセウス座流星群のときはいっぱい見られます。このチャンスを見逃さないで! 眺めるだけでも楽しいけれど、写真を撮ってまとめれば、夏休みの自由研究としてもバッチリ。この夏はデジタルカメラを持って、流れ星をつかまえに行きましょう!

写真はふたご座流星群。
街明かりがあっても、明るい流れ星なら写すことができます。

ペルセウス座はどこ?

流星群の流星は、空のある1点から四方八方に飛び出すように見えるのが特徴です。その1点、「輻射点」がペルセウス座にあるから、「ペルセウス座流星群」と呼ばれるのです。

流星群の流星は輻射点付近だけではなく、空全体どこにでも出現するので、ペルセウス座や輻射点の位置がわからなくても流星の観察はできます。でも、せっかく星空の下に出かけるのだから、ペルセウス座や輻射点をはじめ、どんな星座がどこに見えているかを知っておきたいところ。「輻射点近くにごく短い流れ星が…」「すばるをかすめるように…」「こと座のベガよりも明るい…」という観察記録がつくれれば自由研究もバッチリだし、星座や輻射点がわかれば、流れ星観測の楽しみはとても大きくなります。

そこで登場するのが星座早見盤。合わせた日時の星空を表示してくれる便利グッズです。最近は、調べたい方向に向けるとその方向の星空を解説付きで表示してくれるソフトや機械もあって便利。流れ星を観測しながら、星座探しもマスターしちゃいましょう!

  • 成功させるポイント! ペルセウス座流星群の輻射点は、有名なW型のカシオペヤ座の近く。明け方に近くなるほど高度が高くなって、たくさんの流れ星を見られるチャンスが大きくなる。

いつどこに行けば見られるの?

ペルセウス座流星群は、晴れていれば日本中どこででも見られます。明るい流れ星が多いので、家の庭やベランダ、街中でも、いくつか見られるでしょう。

でも、より多くの流れ星を見るためには、星がよく見える場所に出かけたほうが有利です。人工の明かりがなく、視界が開けていて標高が高い場所…高原のキャンプ場や展望台などが理想的ですが、近所の公園や河川敷でもいいでしょう。当日の夜に捜し回るのではなく、観察場所をどこにするか、あらかじめ決めておきましょう。

最も多くの流れ星が見られるのは、8月12日〜13日。夜遅くになるほど輻射点が高く昇って、より多くの流れ星が見られる可能性が高くなります。

  • 成功させるポイント! ・8月12日夜~13日が最大のチャンス。
    ・最大のピークの予想は8月13日午前3時頃。
    ・明け方に近いほうが有利。
    ・視界が広く、明かりのない場所で見る。
    ・暗闇に目を慣らす。
    ・楽な姿勢でできるだけ長時間見る。

注意

危険な場所、私有地、立ち入り禁止の場所に入ってはいけません。
夜ひとりで、または子供だけで出かけるのは危険です。必ず大人と一緒にでかけましょう。

カメラを流れ星撮影用に設定しよう

「天体写真」というと、専用の機械や一眼レフカメラを使う難しいもの…と思うかもしれませんが、最近のコンパクトデジタルカメラはとても性能が上がっていて、簡単に星空を撮ることができます。ただし、昼間の景色に比べて星の光はとても淡いため、そのままシャッターを切っても星は写ってくれません。まず星の撮影に適した「モード」に設定しなければなりません。カメラによってモードは違いますから、メニュー画面を確認してみましょう。

マニュアルや長秒時撮影機能のあるカメラではそれらの機能を使います。それらの機能のないカメラでは、「星空モード」「夜景モード」「花火モード」など、暗いところで撮影するモードを使いましょう。

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    自宅のコンパクトデジカメのモードを調べてみよう!

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    「星空」「花火」などのモードがある場合も。シャッタースピードが最長になるモードを選ぼう。

  • 3

    絞りは開放(一番小さい値)、シャッタースピードはなるべく長い時間にして、ストロボを発光禁止にする。

  • 4

    感度は400〜800程度に設定しておくのがポイント。

  • 成功させるポイント! ・絞りは開放
    ・シャッタースピードを長く
    ・感度設定は400〜800
    ・ストロボは発光禁止
    ※感度を高くしすぎると、長いシャッタースピードが選べなくなる機種があります。

セルフタイマーの使い方をチェック

撮影モードを選んだら、次はセルフタイマーの設定です。三脚を使っても、指でシャッターを押すとブレてしまう可能性があるので、それを防ぐためにセルフタイマーを使います。多くのカメラでは、10秒間のセルフタイマーのほかに2秒ほどの短いセルフタイマーを持っていますから、それを使うと良いでしょう。

最後にピントの設定を無限遠(∞)にします。これでカメラの設定は終わりです。

いよいよ撮影!

数秒以上の長い間シャッターを開けますから、カメラを手で持って撮影するのは無理です。三脚を使って撮影するのが一番良いのですが、持っていなくても大丈夫。手を離してもカメラが動かない、安定した台の上などにカメラを置いて固定しましょう。手すりの上などに置くときは落とさないよう充分注意します。カメラを置く場所が決まったら、ねらう方向にカメラを向けて、いよいよシャッターボタンを押します。なるべくそっと押して、セルフタイマーでシャッターが開く前に、静かに手を離しましょう。

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    短いセルフタイマーに設定しておくと、待ち時間が少なくてすむ。専用のレリースが使えれば、それを使ってシャッターを切ってもいい。

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    面の上でも、グラグラしないテーブルの上でも、斜め上を向けてカメラをブレないように固定できればOK。できるだけ静かにシャッターを切ること。

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    撮影に三脚を使えれば理想的。カメラを真上近くに向けたいときは、写真のように三脚のレバー(パン棒)がレンズ側に来るように取り付けるといい。

  • 成功させるポイント! ・夜、観測場所で設定を行うと、間違ったり、わからなくなったりする。カメラの設定は出かける前に済ませ、テスト撮影しておくと安心だ。 ・楽な姿勢でできるだけ長時間見る。
    ・撮影が終わったら背面液晶で画像を確認。明るすぎる場合はシャッタースピードを速く(短く)、シャッタースピードの設定ができないカメラではプラスの露出補正(画像が暗い場合はこの逆に補正)をする。

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