電波時計はどうやって時間を合わせているの?

日本標準時の電波を受信して時間を合わせている

電波時計は、時刻の情報が乗った電波を受信して、時計をつねに正確な時刻に合わせています。電波時計が受信しているのは、標準電波というもので、日本の時刻の基準となっている日本標準時を教えてくれる電波です。

標準電波は、10万年に1秒くらいしかずれない原子時計を元にしています。ですから、ものすごく正確です。電波を送信している場所は、福島県のおおたかどや山と佐賀県のはがね山にある、情報通信研究機構の標準電波送信所です。送信所に建てられている大きなアンテナから40kHz(福島)と60kHz(佐賀)という、ラジオ放送よりもずっと波長の長い電波が出ていて、この電波にタイムコードとよばれる時刻の情報が乗せられています。

タイムコードは、笛を「ピー・ピ・ピ」と鳴らすみたいに、長い音と短い音の組み合わせでできていて、この組み合わせで時刻を表しています。長い音の長さは0.8秒、短い音の長さは0.5秒で、60秒で時刻情報が送れるようになっています。

電波が弱いなどの理由で、電波時計が60秒間連続して電波を受信できない場合は、何度か繰り返し、タイムコードを受信して時刻を合わせます。

白鳥 敬(サイエンスライター)

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