どうして手足にマメができるの?

強い外からの力でタンパク質が破壊されて水疱ができる

まず、皮膚の構造を簡単にご説明しましょう(図)。皮膚は表皮、真皮、皮下組織の三層から構成されています。表皮は角質層、顆粒細胞層、有棘細胞層、基底細胞層、基底板からできていて、角質層が目に見える皮膚の部分です。
鉄棒運動やバット振り、靴ずれが原因で手足にできてしまうマメは、皮膚内に体液が溜まった「水疱」です。水疱が形成されるプロセスはさまざまですが、その1つにタンパク質の破壊が挙げられます。表皮と真皮との間には、ヘミデスモゾームと呼ばれる剣山のようなタンパク質と、インテグリンと呼ばれる釘のような役割のタンパク質があり、両者が合体して表皮と真皮を固く接着しています。これらのタンパク質が、鉄棒運動や長時間歩行などの強い外力で破壊されると表皮下に水疱、いわゆるマメができるのです。
細菌感染の恐れがあるので、マメができたときは水疱を覆う皮膚が破けないようにします。まもなく新しい表皮が形成されますよ。
(防衛医科大学校教授 西田育弘)

皮膚の構造

最新号好評発売中!

子供の科学 2024年 4月号

CTR IMG