夏休み自由研究スペシャル 子供の科学がキミにぴったりの自由研究をおしえるよ!

実験したい!

夏の紫外線実験 山村紳一郎
バナナで紫外線の正体をあばく

夏になると気になるのが紫外線。紫外線は体に有害だとか、日焼けの原因として嫌われている。でも、実はいろいろ役立つ性質も持っているんだ。手軽な実験から、紫外線について考えていこう。

用意するもの

用意するもの

用意するもの

●バナナ   ●アルミホイル   ●セロハン
●SPF50+のファンデーション
●SPF4の乳剤   ●トレー

化粧品などでは紫外線をさえぎる働きの強さを、「SPF(紫外線防御指数)」という単位で示しているものがある。数字が大きいものほど、紫外線を防ぐ効果が高いとされている。今回はSPF4の乳剤と、最強とされるSPF50+のファンデーションで実験した。

用意するもの

紫外線って何だろう?

太陽や電灯から出ている光をプリズムなどで分けると、虹のようなさまざまな色が現れることは知っていると思います。この光の“色”の違いとは、光の“波長”の違いです。光は波の性質を持っていて、その山と山(または谷と谷)の間隔を波長といいます。波長長い光は赤く、短い光は青やすみれ色に見えます。

虹の赤や青の外側は暗く見え、何も光がないように感じられます。でも、実は見えないだけでさまざまな光があるのです。たとえば、赤い光のすぐ外側にある光が赤外線で、さらにその外側(波長の長い側)には、通信などで使う電波があります。

逆に青い光のすぐ外側にある光が、紫外線(UV:ウルトラバイオレットの略)です。これより波長が短い光には、X 線やガンマ線があります。このように、紫外線は目には見えないけれども光の一種です。これら、見える光(可視光線と呼よびます)や見えない光を含めて、電磁波と呼びます(図1)。

図1 電磁波の広がり

紫外線の性質

電磁波は、その波長によってさまざまな異なる性質を持っています。目に見える可視光線以外では、赤外線はよく知られるように熱を伝えます。紫外線をはじめとした波長の短い光は、たいへん強いエネルギーを持っています。

このためにX線やガンマ線は物質を通り抜ける力が強く、また、物質の化学的なつながりを壊したりします。

紫外線はこれらほどではありませんが、可視光線に比べるとやはり強いエネルギーを持っているため、物質に当たって化学的な変化を起こす力があります。例えば生物の皮膚に当たると、その細胞を壊すこともあります。

紫外線は目に見えないので、どれほど出ているかは見ただけではわかりません。そこで紫外線が生物の細胞に与える影響を観察することで、その量を調べる実験を試してみましょう。

バナナの皮は、紫外線をよく吸収することが知られています。また、傷むと色が茶色っぽく変化します。このため、紫外線が当たってバナナの皮の細胞が傷つくと、色が変わるといわれています。強い日差しを利用して、バナナの皮への紫外線の影響を調べます。また、紫外線を防ぐといわれる化粧品の効果も、あわせて調べることにします。

私たちの皮膚はこのような紫外線の影響を避けるため、紫外線を受けると細胞の中でメラニンという黒い色素をつくります。日焼けをすると肌が黒っぽくなるのは、このためです。

蛍光灯は放電で発生する紫外線を蛍光物質に当てて光らせる。

強いエネルギーを利用して、紫外線は殺菌灯などに利用されています。有害なバクテリアなどの細胞を壊して殺すのです。また、蛍光灯の中では紫外線が放出され(外にはわずかしか出てきません)、そのエネルギーを受けた蛍光物質(紫外線のエネルギーを可視光線に変化させる物質)が光ることで、明かりとして利用しています。

紫外線をバナナで調べる!?

できるだけ表面のきれいなバナナを用意します。

1

紫外線が当たらない部分をつくるため、2~3cm 幅に切ったアルミホイルを1 か所に巻きつけてとめます。

2

透明なセロハンを同じように2~3cm 幅に切り、紫外線防御効果のある化粧品を塗ります。これもアルミホイルと同じように、バナナに巻きつけます(互いの間を少しずつ空けて比較しやすいようにします)。

3

トレーなどに乗せて太陽光が直接当たる場所に出しておきます。

4

3~6時間ほど太陽光に当てたら、アルミホイルやセロハンをはずして観察します。

5

そのまま冷蔵庫などで1~2日ほど保存し、同様に表面の様子を観察します。

6

実験の結果

実験の結果

今回はほぼ晴れの日差しを3時間ほど当てました。なお、アルミホイルの他に、紫外線防御効果が表示されている化粧品2種類を塗ったセロハンも巻きつけました(左の写真参照)。

日差しを当てた後、およそ半日ほど暗い場所に保存したところ、表面の色の変化がほんのり出てきました。さらに2日ほど保存しておくと、アルミホイルやセロハンを巻いたところに比べ、日差しが当たった部分がより黒っぽく変色したのがわかりました。なお、2種類の化粧品を巻いた部分はアルミホイルとそれほど大きな差がなく、かなり紫外線防御効果があるように見えます。

もっと強い光を当てて調べると、さらにはっきりした差が出るかもしれません。また、日によってどれぐらい違うか、日陰ではどうか…など、さまざまな応用実験ができると思います。皆さんも夏休みの自由研究で、ぜひ試してください。

子供の科学8月号では 別冊付録 身近な生き物研究ガイドブック、バナナで紫外線の正体をあばく実験などおもしろい自由研究ネタが満載!

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