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X線天文衛星ひとみ、機能回復断念
2016年05月31日
解析結果から高速回転によって図のように太陽電池パドルが変形。根元からもぎとられてしまったとみられています。(提供/JAXAの発表資料より)解析結果から高速回転によって図のように太陽電池パドルが変形。根元からもぎとられてしまったとみられています。(提供/JAXAの発表資料より)

 「金星探査機あかつき、本格観測開始!」(2016年04月25日)の記事で、3月26日に姿勢制御系にトラブルを起こして数個のパーツに分離して地上との通信が困難な状態になっているX線天文衛星ひとみ(アストロH)について触れましたが、残念な結果になってしまいました。ひとみは、まず何らかの原因で機体が回転を開始。その回転を止めようとして姿勢制御スラスターが稼働したのですが、スラスターの設定に誤りがあって回転を止めるどころか逆に回転を加速してしまうという二重のトラブルに見舞われ、太陽電池パドルが根元からもぎ取られるという状態になったとみられています。

JAXA(宇宙航空研究開発機構)では当初、機体の回転がおさまれば太陽電池パドルでの発電が可能になり、機能が回復する可能性もあると期待していましたが、4月28日に機能の回復は不可能として復旧作業を断念すると発表しました。

ひとみの研究開発費300億円が無駄になってしまったのに加え、世界中の研究者が期待していたX線天文学の研究がこれによって停滞を余儀なくされる結果となりました。

もともとX線天文学は日本の「お家芸」として知られていました。過去には「はくちょう」(1979年)、「てんま」(1983年)、「ぎんが」(1987年)、「あすか」(1993年)、「すざく」(2005年)といったX線天文衛星を打ち上げていて、ブラックホールなど超高温で超強大な重力や磁場、超高密度の極限状態の研究が進みました。国際的にも当面、X線天文衛星の計画はなく、ひとみが失われた影響は計り知れません。

ちなみに日本のX線天文衛星としては、今回のひとみのトラブルは2000年のアストロEの軌道投入失敗に続く失敗となりました。

2010年の主エンジンのトラブルから5年後に復活した金星探査機あかつき、トラブルに見舞われながらも小惑星イトカワのサンプルを地球に持ち帰った小惑星探査機はやぶさの例のように、ひとみの復活にも期待が寄せられていましたが、望みは絶たれてしまいました。二度と同じような失敗を繰り返さないためにも、姿勢制御スラスターの設定ミスを防ぐ手立てやトラブルの引き金となった機体の回転の原因について明らかにしてもらいたいと思います。(川巻獏)
 

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